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2020.08.31

ライフスタイル

車の台風対策はどうするのがベスト?避難場所や保険の使い方も解説

近年、日本を悩ませるゲリラ豪雨に加え、夏から秋にかけて多く発生する台風にも警戒が必要になります。 ニュースなどで、水没した車や横転したトラックをご覧になった方も少なくないはずです。台風の接近に伴う大雨や強風から愛車を守るにはどうすれば良いのでしょうか? この記事では、台風被害を回避するための対策と万が一被害を受けたときに負担を軽減するための対策を解説しています。また、よくある台風被害の例もご紹介します。

2020.08.31

1.車を台風から守るための対策

台風は、接近するタイミングや規模、進路などの予測情報が出るため、しっかりと対策できれば車への被害は地震や突発的な事故に比べて抑えることができます。まずは、台風から車を守るための対策をご紹介します。

 

ハザードマップを確認する

車が台風の被害を受けないように、事前にハザードマップを確認しておきましょう。ハザードマップとは、大雨による浸水や土砂災害などの自然災害の被害を予測し、地図上に反映したものです。ハザードマップを確認することで、災害の危険性が高い地域を把握できるので、もし自宅や駐車場が災害リスクの高い場所だった場合に、前もってほかの場所に移動させることができます。

 

ハザードマップは、国土交通省のハザードマップポータルサイトから確認できます。ぜひチェックしてみてください。ポータルサイト内の「重ねるハザードマップ」は、洪水や土砂災害などの災害の種類別に地図上に表示することができます。

 

一般的には、海岸や河川の近くは高潮や大雨による浸水被害の危険性が高く、また山間部や扇状地、急斜面の地域などは土石流や地滑りなどの土砂災害に巻き込まれるリスクがあり、台風時の駐車場所としては安心できません。これらの場所に駐車している場合は、台風が来る前に車を避難させることを検討しましょう。

 

高台か立体駐車場に移動させる

台風による浸水や土砂災害の被害を回避するために、車を高台や立体駐車場に移動させる方法があります。安全な高台や立体駐車場を前もって探しておくと、いざ台風が接近したときに、速やかに移動できます。

 

立体駐車場はほとんどが市街地に作られており、ショッピングモールや駅の近くによくあります。駐車料金は1日あたり数千円程度かかりますが、台風被害による修理費用に比べると相当安く済むでしょう。台風被害回避のための保険として、数千円で安心を買うという考え方もできます。

 

なお、高台は浸水被害を回避しやすいものの、場所によっては土砂災害の危険性があるため、移動先についてもハザードマップで被害予測を確認しておきましょう。

 

飛来物に備える

台風接近に伴う強風によって木々の枝や看板・標識、ベランダの鉢植えなどが吹き飛ばされ、不運にもそれらが飛来物となって車にぶつかり損傷を受けるケースがあります。飛来物に備える方法として、そもそも台風時には走行しないこと、駐車スペース付近の飛びやすそうな物をあらかじめどこかに避難させておくこと、などが挙げられます。

 

また、駐車場が吹きさらしになっている場合は、飛来物の防ぎようがないので車用のカバーを利用して、ぶつかったときの衝撃をできるだけ和らげる対策を取りましょう。なお、台風時は、強風によってカバーがバタバタとあおられ、車のボディと摩擦して傷が付く可能性があります。摩擦による傷が気になる方は、裏起毛のカバーを検討してみると良いでしょう。

 

2.台風で車が受ける被害とは?【大雨・強風】

台風による被害は、大きく大雨か強風のどちらかを原因とするものに分けられます。ここでは、大雨と強風のトラブルを3つずつご紹介します。

 

大雨によるトラブル3つ

台風にともなう大雨は、河川の氾濫や低地の浸水などを引き起こします。大雨による被害の代表例である、以下の3つについて詳しく見ていきましょう。

 

大雨によるトラブル3つ
  • エンジンが故障する
  • 車内環境が悪化する
  • 電気系統がショートする

エンジンが故障する

台風の大雨によって道路が冠水し、吸気ダクト(※1)やマフラー(※2)からエンジン部分に水が入ることで、エンジンが止まり、故障に至る可能性があります。吸気ダクトから水が入った場合は、その水がエンジンのシリンダー(※3)まで侵入し、空気や燃料を圧縮する本来の機能が作動しなくなりエンジンが止まります。また、マフラーから水が侵入した場合は、水で排気ガスの出口をふさぎ、エンジンとマフラー間で詰まることでエンジンが動かなくなります。

 

このような状況で無理に走行し続けようとすると、エンジン自体に負担がかかり、最終的には、エンジンが壊れてしまう可能性があります。

 

※1 吸気ダクト:外気をエンジンに送り込むための管
※2マフラー:排気ガスを外に排出するための管
※3エンジンのシリンダー:空気や燃料をピストンで圧縮するための筒状のパーツ

 

車内環境が悪化する

大雨によって水が車内まで入り込む場合、フロアカーペットや座席シートなどに泥水や海水が染み込み、そこからカビや細菌が繁殖することで車内環境が悪化してしまいます。また、水が染み込んだシートなどを取り替えたとしても、ドブやカビの匂いが車内に残ってしまう可能性があります。簡単には元通りに回復できず、また中古車として売ることも難しいため、廃車にするケースも少なくありません。

 

電気系統がショートする

冠水した道路などで車が水没した場合、電気系統の機能がストップしたり、場合によってはショートしたりする危険性があります。特に海水は電気を通しやすい性質を持つため、ショートする可能性が高くなります。

 

電気系統の機能が停止すると、エンジンがかからないエアコンが使えない、といった車全般の機能が作動しなくなります。また、パワーウィンドウの開閉機能も失われる可能性があるため、水の圧力によってドアが開けられず車内に閉じ込められる、といった状況になることも考えられます。

 

電気系統の配線は水が乾いた後も腐食が進み、ショートする危険性を維持したままです。エンジンがかかったとしてもショートし、発火する可能性があるため、専門業者に点検・修理してもらうまでは元通りに利用できません。

 

強風によるトラブル3つ

台風の風速はおよそ17m/s以上と定められており、人であれば風に向かって歩くことが困難な状況です。そのような状況で起こるトラブルの代表例3つを見ていきましょう。

 

強風によるトラブル3つ
  • 飛来物による損傷を受ける
  • 走行中・停車中に横転する
  • ドア開け時に体が持っていかれる

飛来物による損傷を受ける

街路樹の枝や店鋪の看板は、台風の強風によって吹き飛ばされ、車にぶつかって損傷を与えることがあります。損傷の程度は、飛来物自体の大きさ・重さやそのときの風速などによって異なります。

 

気象庁※によると、平均風速が20m/s以上で看板や屋根瓦が飛ぶ、35m/s以上で樹木や電柱、街灯が倒れる、とされています。また、台風の風速はおよそ17m/s以上であることから、台風が接近する場合は、看板が飛んだり、樹木が倒れたりすることは、実際に起こりうることとして警戒すべきでしょう。

 

※出典:気象庁|風の強さと吹き方

 

走行中・停車中に横転する

台風の風力は20m/s以上にもなり、サイズの大小を問わず車を横転させるほどの力を持っています。気象庁※によると、瞬間風速が40m/s以上になると、走行中のトラックが横転するレベルと言われています。特に、ビルの谷間や橋の上、海岸沿いなどは、風の威力を受けやすく、できる限りそういった場所の走行は控えましょう。

 

車が横転してしまったら、サイドガラスや天井部分、フレームが損傷する可能性が高いでしょう。特にフレームは車の骨格にあたるため、衝撃によって歪んでしまったら、設計通りの走行ができない可能性があり、非常に危険です。結果的には車の価値も下がってしまい、下取りに出しても本来の査定額は見込めないでしょう。

 

※出典:気象庁|風の強さと吹き方

 

ドア開け時に体が持っていかれる

ドアを開けるときに強風の力が加わり、ドアが勢いよく開くことで体が一緒に持っていかれるケースがあります。具体的には以下のようなトラブルが起こります。

 

トラブルの例
  • ドアが勢いよく開くことで開閉に必要なパーツが損壊する
  • 駐車場などで横の車や壁などにドアをぶつけてしまう
  • ドアレバーを離せずにそのまま外に放り投げられ、座席から転落する

このようなトラブルを避けるために、以下の手順*でドアを開けると比較的安全に降りられます。

 

強風時の降り方(右側のドアから降りる場合)
  1. ドア側とは反対の手(この場合は左手)でドアレバーを引き、少しだけドアを開け、風の強さや前後左右の状況を確認する
  2. 少し開いたドアの縁にドア側の手(この場合は右手)をかけ、ドアが開き過ぎないよう押さえる
  3. 左手でドアレバーを、右手でドアの縁をしっかりと押さえつつ、出るための最低限のスペース分だけ開けてゆっくり外に出る

 

※参考:JAF|強風時のドア開け(JAFユーザーテスト)

なお、力が弱い子どもやお年寄りはドアを押さえることが難しいため、運転手やほかの大人が先に車から降りて、外からドアを開けてあげるのが良いでしょう。

 

3.台風被害の補償を受けるための対策

台風による被害は、ボディの軽微な傷から車が動かなくなってしまうほどの大きな故障までさまざまです。台風対策を講じても、残念ながら被害を受ける場合も。ここでは、そんな万が一に備えるための対策を解説します。

 

車両保険に加入する

車両保険は、台風による被害で車の修理費用が発生した場合に、自己負担額をなるべく減らすための備えの一つです。民間の自動車保険会社で取り扱われていて、契約している車(自分の車)の修理費負担を補償するための保険です。一般的には基本補償には含まれておらず、オプションで加入します。

 

下は、車両保険により台風被害の補償を受けられる例です。

 

台風被害の補償例
  • 大雨で道路が冠水し、車が水没。座席シートを交換
  • 強風で看板が飛散し、車に激突。ボディの傷を修理
  • 強風により横転し、サイドガラスが破損。サイドガラスを交換

車両保険は一般型と限定型に分けられ、それぞれの補償を受けられる範囲が被害を受けた事故の種類によって異なります。例えば、相手が特定できない車に接触されて損傷を受けた場合、一般型では補償されるが、限定型では補償されない、といった場合があります。ただし、台風や火災、洪水などが原因の場合は一般型でも限定型でも補償されることが多いようです。

 

車両保険の適用例

車両保険を利用する場合、修理費が保険金の上限金額(=時価額※)を上回る、または下回るのかによって受け取れる保険金額が異なります。以下で、保険金が満額もらえる「全損扱い」の場合と、免責金額分が引かれる「全損扱いにならない」場合の補償例をそれぞれご紹介します。

 

※時価額:その時点での車の価値を表した金額

 

車両保険の加入条件
  • 車両保険で受け取れる保険金の上限が100万円(=車の時価額)
  • 免責金額が10万円

 

【全損扱いの場合の補償例】
・車の修理費が150万円
修理費が時価額を超えているので、全損扱いとなり100万円満額受け取れる。修理費の残り50万円は自己負担になるので、新たに車を購入するのが一般的。

 

【全損扱いにならない場合の補償例】
・車の修理費が70万円
修理費が時価額未満であるため、全損扱いにはならず免責金額10万円を差し引いた60万円受け取れる。

ちなみに、免責金額とは保険金を受け取るときに発生する自己負担金のことです。保険会社によっては、保険申込時に免責金額を複数のパターンから自分で設定できます。免責金額を高く設定すると、保険利用時の自己負担比率は大きくなるものの、月々の保険料は安く抑えられます。なお、上記のように修理費が時価額を超える場合は、免責金額の負担はありません。

 

【注意点】保険を使うと等級が下がる

台風被害などにより車両保険を利用すると、保険の等級が下がり、翌年度以降の保険料の割引率も下がってしまいます。「保険料の割引率が下がる」とは、保険を利用せずに等級が順当に上がる場合と比べて、実質的に保険料が上がることを意味します。

 

 

保険を使うと今後の保険料負担が実質的に増えるため、修理費が保険金を受け取らなくても自己負担でまかなえる程度であれば、保険をあえて使わないという手もあります。保険をあえて使わない例として、保険料の実質的な増加額合計よりも修理費のほうが安い、といったケースが挙げられます。

 

等級ダウンによって保険料の割引率がどの程度下がるのかは保険会社に問い合わせすればすぐに確認できます。数年分の実質的な保険料増額合計を算出して、修理費と比較してみましょう。

 

【コラム】火災保険は補償の対象外?

火災保険は、そもそも車を補償の対象にしておらず、マイカーが何らかの損害を受けても補償を受けられません。火災保険の補償対象は家屋と家財で、屋根瓦や庭の物置、玄関口にとめている自転車などが挙げられます。台風などの自然災害や自宅の火事などにより、家屋・家財に損害が出た場合に、修理や交換にかかる費用が補償されます。

 

中にはマイカーが家財に含まれると勘違いされる方もいますが、車は補償対象に含まれず、火災保険では損害をカバーできないことを覚えておきましょう。マイカーの台風対策には車両保険が一般的と言えます。

 

4.まとめ

車を台風から守るためには、ハザードマップで被害予測を確認し、必要に応じて安全な場所に避難させるのが良いでしょう。台風被害の原因は大きく、大雨と強風です。それぞれの状況で車にどのような被害が起こるのかを把握しておき、事前に対策を打てるようにしておきましょう。

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