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2020.08.06

カーケア

タイヤの偏平率とは?低偏平のデメリットや偏平率の調整方法も解説

車選びの中で目にする方も多い、タイヤの偏平率。「偏平率○%」と表記されていますが、その数値が何を表すのか、運転にどんな影響があるのかを知らない方も多いようです。 この記事では、偏平率の言葉の意味や表記の見方などの基礎知識や偏平率のメリット・デメリット、調整方法について図解を交えて解説します。

2020.08.06

1.タイヤの偏平率とは? 計算方法や表示の見方は?

タイヤの偏平率は何を判断するための数値なのでしょうか? まずは、偏平率の意味や計算方法など、偏平率の基礎知識をご紹介します。

 

車の操作性や乗り心地の指標になる数値

タイヤの偏平率とは、タイヤの断面幅に対するタイヤの断面高さ(ゴム部分の厚さ)の比率を表す、車の操作性や乗り心地の指標となる数値です。操作性とは、ハンドルの動きと実際の車の動きの連動を意味します。「操作性が良い」とは、「ハンドル操作の応答性が高い」と言い換えることができます。

 

 

以下は、高偏平と低偏平のタイヤの特徴を比較した表です。

 

  高偏平タイヤ 低偏平タイヤ
タイヤのゴム部分の厚さ

厚い

薄い

道路との接地面の多さ

少ない

多い

操作性

悪い

良い

道路から受ける衝撃

弱い

強い

経済性

高い

低い

偏平率が高いタイヤは、タイヤのゴム部分が厚いので、道路から受ける衝撃は低偏平タイヤよりも弱く、乗り心地は良くなります。一方、道路との接地面が少ないので、操作性は低偏平タイヤよりも劣ります

 

偏平率が低いタイヤは、タイヤのゴム部分が薄いので、道路から受ける衝撃は高偏平タイヤよりも強く、乗り心地が悪くなります。一方で、道路との接地面が多いので操作性は高偏平タイヤよりも良くなります。

 

なお、経済性については、燃費の良し悪しが関係しており、高偏平タイヤは燃費が良く、低偏平タイヤは燃費が悪くなる傾向があります。従って、高偏平タイヤは、燃料の使用量が低偏平タイヤに比べて少ない分、経済的と言えます。詳しくは「デメリットは乗り心地と燃費が悪くなること」で説明しています。

 

タイヤの偏平率の計算方法

タイヤの偏平率は「タイヤの断面高さ÷タイヤの断面幅×100」の計算式で算出できます。

 

 

タイヤの断面高さは、タイヤの外径からホイールまでの長さを、タイヤの断面幅は、総幅から側面の文字や模様などの高さを除いた長さを指します。以下は、タイヤの断面幅とタイヤの断面高さを元に偏平率を算出した計算例です。

 

タイヤの偏平率の計算例

 

  • タイヤの断面幅:215mm
  • タイヤの断面高さ:96.75mm
  • 偏平率=96.75mm÷215mm×100=45%

タイヤの断面幅が215mmで、タイヤの断面高さが96.75mmの場合、偏平率は45%になります

 

偏平率はタイヤ側面の表記から確認できる

偏平率は、タイヤの側面に記載されているので、見方さえ知っていれば計算しなくても簡単に確認することができます。以下は、タイヤ側面の表記の見方です。

 

 

上記の場合、一番左の「215」はタイヤ幅を、左から2つ目の「45」は偏平率を表します。ちなみに、タイヤの断面高さは側面に表記されていませんが、タイヤ幅と偏平率から計算でき、計算式は「タイヤ幅×偏平率」となります。

 

タイヤの断面高さの計算例

タイヤの断面高さ=215mm×45%=96.75mm

タイヤの断面高さは、タイヤサイズを純正から変更するときに調べる場合があります。これは、基本的にサイズ変更後のタイヤ直径は純正タイヤの直径に合わせる必要があるためです。タイヤの

直径はタイヤの断面高さとリム径(ホイールの直径)の長さを合計すると算出できます。メジャーで測っても良いですが、簡単に計算できるので覚えておくと良いでしょう。

 

※タイヤサイズの見方について詳しくは→「タイヤサイズの見方はこれで完璧!インチアップや変更の疑問も解決

 

2.偏平率が低いタイヤのデメリットや注意点

最近では偏平率が低い、低偏平タイヤが主流になりつつあります。操作性が増し、ビジュアルもかっこよくなる一方で、実は気になる点も。ここでは、低偏平タイヤを選ぶ上で理解しておきたいデメリットや注意点について解説します。

 

デメリットは乗り心地と燃費が悪くなること

偏平率が低いタイヤは、高偏平タイヤに比べゴム部分が薄く、空気圧による衝撃の吸収力が弱まるため、路面から受ける衝撃が強く、乗り心地が悪くなります。また、タイヤの形状が平べったく、路面との接地面も広くなるので、衝撃を受ける面積も広くなってしまいます。

 

車の乗り心地が悪くなると、ドライバーや同乗者の疲労につながるので、特に舗装があまりされていない道路や長距離を運転する場合は低偏平のタイヤは向いていないと言えます。また、路面から受ける衝撃はタイヤを伝ってサスペンション*で吸収されますが、強い衝撃を受け続けると、サスペンションやその他のパーツの故障につながる可能性もあります。

 

*サスペンション:車体とタイヤの接続部分を指し、路面からの衝撃を吸収する役割を持つ

 

低偏平タイヤのもう一つのデメリットは、燃料を消費しやすくなるので燃費が悪くなることです。低偏平により燃費が悪くなる理由は大きく以下の2点です。

 

  • 理由1
    接地面が広くなることで路面と接触する面積が増え、抵抗を受けやすくなるため

 

  • 理由2
    タイヤがたわんだ状態から元に戻ろうとし、余計なエネルギーを使ってしまうため

理由1はこれまでの説明のとおり、偏平率が低くなるほど路面との接地面が広がるという特徴があるためです。抵抗が増えるとその分燃料を多く使うことになり、結果的に燃費が悪くなります。

 

理由2は、偏平率が低くなるほどタイヤの空気容量が減り、空気圧が低い状態になるという特徴があるためです。空気圧が低いと走行中にタイヤがたわみ、それを戻そうと余計にエネルギーが消費されるため、燃費が悪くなります。

 

注意点は空気圧の管理とロードインデックスの確認

低偏平タイヤを安全に利用する上で、空気圧の管理とロードインデックスの確認は欠かせません。それぞれの注意点や対処のポイントを以下で説明します。

 

空気圧の確認や補充をこまめに行う

低偏平のタイヤで走行する場合は、空気圧不足によってバーストのリスクが高まるため、こまめに空気圧の確認や補充が必要になります。空気圧を確認する目安は、通常のタイヤで1カ月に1回とされているので、低偏平タイヤの場合は最低でも月に1回以上は確認しておくと安心でしょう。空気圧の確認や補充はガソリンスタンドで行えるので、給油のついでにやっておくと、確認漏れがなくなっておすすめです。

 

※空気圧の確認・補充の方法について詳しくは→「【初心者向け】ガソリンスタンドで空気圧を点検できる? 頼み方・頻度も

 

タイヤ交換時にはロードインデックスを確認する

偏平率を低くするために純正タイヤを交換する場合、新しいタイヤのロードインデックスが車両の重さに対して不足していることがあるので、値が純正タイヤと同じかそれ以上であることを必ず確認してください。

 

ロードインデックスとは、タイヤの荷重指数のことで、タイヤ1本が耐えられる最大の負荷(kg)を意味します。以下は、ロードインデックスと負荷能力の一覧表です。

 

<ロードインデックス(LI)と負荷能力の対応一覧>

LI 負荷能力(Kg) LI 負荷能力(Kg) LI 負荷能力(Kg) LI 負荷能力(Kg)
60 250 76 400 92 630 108 1,000
61 257 77 412 93 650 109 1,030
62 265 78 425 94 670 110 1,060
63 272 79 437 95 690 111 1,090
64 280 80 450 96 710 112 1,120
65 290 81 462 97 730 113 1,150
66 300 82 475 98 750 114 1,180
67 307 83 487 99 775 115 1,215
68 315 84 500 100 800 116 1,250
69 325 85 515 101 825 117 1,285
70 335 86 530 102 850 118 1,320
71 345 87 545 103 875 119 1,360
72 355 88 560 104 900 120 1,400
73 365 89 580 105 925 121 1,450
74 375 90 600 106 950 122 1,500
75 387 91 615 107 975 123 1,550

ロードインデックスが純正タイヤの値を下回る状態で走行を続けた場合、タイヤの内部が破損するセパレーションが起きて、結果的にバーストする可能性があります。また、ロードインデックスが車両に対して不足していると車検にも通りません

 

【コラム】なぜ低偏平率のタイヤが主流に?

現在は、ファミリーカーや軽自動車でも偏平率が40〜50%のタイヤが使用されており、車種を問わず低偏平タイヤが主流になっています。低偏平化が進む理由の一つとして、ホイールの存在感が目立つことによるビジュアルのかっこよさが挙げられます。偏平率が低いとゴム部分が薄くなり、側面から見るとその分ホイールが占める面積が多くなるためです。1970年代頃までは、偏平率70%以上が一般的でしたが、70年代以降に国産車にも偏平率が低い輸入タイヤが使われるようになり、今日の低偏平化に至ると言われています。

 

3.タイヤの偏平率を調整する方法は?

タイヤの偏平率を調整するには、ホイールかタイヤをサイズ変更する方法が挙げられます。ここでは、2つの方法について詳しく説明します。

 

基本的にはインチアップかインチダウンする

タイヤの偏平率は、インチアップで低偏平に、インチダウンで高偏平になります。インチアップとは、タイヤの外径を変えずにホイール(リム)のサイズを大きくすることを指します。タイヤのサイズは変わらず、ホイールだけが大きくなることで、タイヤのゴムが伸び、ゴム部分が薄くなり、結果的に偏平率が低くなります。インチダウンはその逆で、タイヤの外径を変えずにホイールのサイズを小さくすることで、ゴム部分が厚くなり、高偏平になります。

 

インチアップ・インチダウンする場合は以下のポイントを押さえてタイヤを選びましょう。

 

  • タイヤの外径は純正タイヤと同じものにする
  • ロードインデックスは純正タイヤの値と同じかそれ以上にする
  • 車体と接触しない、はみだし装着にならないものにする

タイヤ外径が純正タイヤから変わるとスピードメーターに誤差が出て、走行中の危険性が増すため、原則サイズを変えてはいけません。また、ロードインデックスも純正タイヤの値を下回るとタイヤが耐えられる負担を超過する可能性があるため、原則同じ値かそれ以上にしましょう。インチアップの場合はタイヤ幅が長くなるので、タイヤの一部が車体に接触する、または車の幅からはみ出す可能性があり、装着してからのチェックも必要です。

 

4.まとめ

タイヤの偏平率は、運転の操作性や乗り心地を指す指標で、タイヤの側面の表記を見れば確認することができます。現在では低偏平タイヤが主流ですが、メリットやデメリットもあるため、どちらも理解した上で自分に合った偏平率のタイヤを選べると良いでしょう。

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