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2020.06.15

カーケア

【初心者向け】車のエアコンの使い方 ぬるい、嫌な臭いの対処法は?

「なぜか冷房が効かない」「窓の曇りの取り方が分からない」など、車のエアコンの使い方がよく分からない人も多いのではないでしょうか?  この記事では状況別にまとめたエアコンの操作方法や、意外と知らないエアコンの仕組み・機能をご紹介します。さらに、エアコンのトラブルの原因や対処法についても解説しています。

2020.06.15

1. 【状況別】車のエアコンの使い方

「車内の温度を下げたい」「ガラスの曇りを取りたい」などの状況に応じたエアコンの操作方法をご紹介します。

 

<エアコンの操作ボタン一覧>

 

エアコンの操作ボタン一覧

 

操作するボタンは上記の画像を参考にしてください。それぞれのボタンの詳しい機能については「車のエアコンの仕組みや機能は?」で説明します。

 

車内の温度を下げたい

車内の温度を下げたいときは、以下の手順に沿って操作しましょう。

 

操作の手順
  1. 車内を換気する(運転前であれば窓を開ける、走行中であれば外気導入モードにする)
  2. 設定温度を調節する
  3. A/Cボタンを押す
  4. 外気と車内の温度が同じくらいになったら、外気導入モードから内気循環モードに切り替える

手順1で車内の換気を行う理由は、車内と外気の温度を同程度にするためです。車内の温度が高いと冷房が効くまで時間がかかるので、まずは車内の暖かい空気を外に出します。ただし、車内の温度が下がってきたら外の暖かい空気を遮断する必要があるため、手順4で内気循環モードに切り替えます。

 

ちなみに、手順3でA/Cスイッチがオンになっていないと設定温度の空気が出ず、一向に車内は涼しくなりません

 

車内の温度を上げたい

車内の温度を上げたいときは、以下の手順に沿って操作してください。

 

操作の手順
  1. 温度調節ダイヤル、ボタンで設定温度を調整する
  2. 外気導入モードから内気循環モードに切り替える
  3. A/Cスイッチがオフになっていることを確認する

車のエアコンの暖房は冷却水を熱源とするため、エンジンが動いていないと暖かい空気が出ません。暖房を効かせるためには、手順1~3を行ったらすぐに発進して、エンジンをしっかり動かしましょう。

 

フロント・窓ガラスの曇りを取りたい

フロントガラスや窓ガラスが曇った場合は、適切な手順を踏めば簡単に解消できます。ただし、曇りの発生条件によって対処法が異なります。以下で、ガラスの内側・外側に結露が生じたそれぞれのケースの対処法を解説します。

 

【ガラスの内側に結露】車内が暖かく、外気が冷たい場合

冬に起こりやすく、車内の暖房が効いていて、かつ外気が冷たいときにガラスの内側に結露が生じて曇ります

 

操作の手順
  1. A/Cボタンを押してスイッチを入れる
  2. デフロスターボタンを押す
  3. 2で曇りが取れない場合は外気導入モードに切り替える

車内の湿度を下げることで、曇りが解消されやすくなります。そのため、冬は手順3で外気導入モードにして外の湿度の低い空気を取り入れましょう。

 

梅雨の時期にもガラスの内側が曇ることがあります。このときは、手順1~2までを行い、それでも曇りが解消されない場合は内気循環モードにしましょう。梅雨の時期は外気の湿度が高いので、外気導入モードにすると湿度の多い空気を取り込むことになるためです。

 

オートエアコンの場合はデフロスタースイッチをオンにするだけで曇りが解消されます。マニュアルの場合は、A/Cスイッチがオンになっていないと、デフロスターが効きません

 

【ガラスの外側に結露】車内の空気が冷たく、外気が暖かい場合

夏に起こりやすく、車内の冷房が効いていて、かつ外気が暖かく、湿気を多く含んでいる場合にガラスの外側に結露が生じて曇ります

 

操作の手順
  1. ワイパーで拭く

曇りの原因は外側のガラスにあるため、ワイパーで拭き取るだけで解消されます。このとき、曇りを取ろうとしてデフロスターを使ってはいけません。デフロスターから冷たい空気が出て、内側のガラスを冷やし、外側のガラスをさらに曇らせる可能性があるためです。

 

2.車のエアコンの仕組みや機能は?

ここでは、意外と知らない車のエアコンの仕組みや機能をご紹介します。

 

車のエアコンは冷房と暖房で仕組みが異なる

車のエアコンは冷房と暖房で空気を冷やす・暖める仕組みが異なります。以下でそれぞれの仕組みを解説します。

 

冷たい空気が出る仕組み

車の冷房は、外から取り込んだ空気をエバポレーターというパーツで冷やし、その空気を車内に送りこむ、という仕組みが取られています。エバポレーターは通気性の良い氷の塊とイメージしてください。エバポレーターでは冷媒(※1)の気化熱(※2)の作用を利用し空気を冷やします。

 

※1冷媒:空気の「熱」を運ぶ物質(車ではフロンガスが使われることが多い)

※2気化熱:液体が気体に変化するときに周囲から吸収する熱のこと

 

エバポレーターで冷媒を気体(ガス状)に変化させるために、多くの車で以下の循環システムが採られています。

 

冷たい空気が出る仕組み

 

冷媒は上記図のように、液状からガス状に、ガス状から液状に状態を変化させて循環します。

 

冷媒の状態変化と循環の流れ
  1. 冷媒(ガス状)はコンプレッサーで圧縮され、高温高圧の状態に
  2. 圧縮されて高温になったガス状冷媒はコンデンサー(凝縮器)を通過するときに冷却されガス状と液状が混在した状態になる
  3. 冷却された冷媒(ガス状・液状)はレシーバーで、ガス状と液状に分離され、液状冷媒に含まれる不純物が取り除かれる
  4. 低温高圧状態の液状冷媒がエキスパンションバルブで霧状に噴射される
  5. 霧状になることで膨張し低温低圧になった冷媒はエバポレーター(蒸発器)で温度が上がり、気化する

5のときに、エバポレーターを通過した空気は、気化熱の作用で冷やされることになります。そして、5で気化した冷媒は1の工程に戻り、以降の工程でまた液体に変化します。

 

冷媒は高温低圧の条件で気化しやすく、低温高圧の条件で液化しやすい特徴があります。この特徴を利用し、循環システムの中で気化と液化を連続して行うことで車内に冷たい空気を供給し続けることができます。

 

ちなみに、1のコンプレッサーは「A/Cスイッチ」をオンにしないと作動しません。冷房をつけるときにA/Cボタンを押す理由は、コンプレッサーを作動させるためだったのです。

 

暖かい空気が出る仕組み

ガソリン車の暖房は、エンジンの冷却水の熱を利用しています。冷却水はエンジンを適温に保つためにエンジン周りを循環しており、運転中には100℃前後になります。この熱で外気を暖めることで暖かい空気を車内に供給します。

 

冷却水の熱で空気が暖められる流れ
  1. 暖まった冷却水がウォーターポンプを通ってヒーターコアに供給される
  2. ヒーターコアで冷却水が空気と熱交換され、暖かい空気が作られる
  3. 2の暖かい空気とエバボレーターを通過した冷たい空気が混ざり、設定した温度の空気が供給される

1では、ヒーターコアに供給される冷却水の量がウォーターバルブで調節されます。これは、冷却水の量によって2で作られる暖かい空気の温度が変化するためです。

 

PHVや電気自動車の場合は、エンジンの熱を利用できないので、電気ヒーターやヒートポンプ式のヒーターが採用されています。ヒートポンプ式のヒーターは、コンプレッサーで冷媒を圧縮することで暖かい空気を供給できます。これは家庭用のエアコンと同じ原理です。

 

【ボタン別】エアコンの機能

<エアコンの操作ボタン一覧>

 

エアコンの操作ボタン一覧

 

それぞれのボタンの機能・役割をご紹介します。

 

A/Cボタン

A/Cボタンはコンプレッサーを作動させるためのボタンです。「A/C」とはAir Conditioningの略で、A/Cスイッチをオンにすることで冷房を効かせたり、除湿したりすることができます。 

 

外気導入と内気循環

外気導入ボタンは車内に外気を取り入れたいとき、内気循環ボタンは外気を取り入れず車内の空気を循環させたいときにオンにします。 

 

オートエアコンの場合は、外気導入と内気循環の切り替えを自動で判断して調整するので自分で操作する必要はありません。マニュアルエアコンの場合、基本設定が外気導入モードになっている車があるので、状況に応じて内気循環モードに変更しましょう。

 

以下は、外気導入と内気循環の使い分けの例です。

 

外気導入と内気循環の使い分け例

▼外気導入→内気循環に

 

  • トンネルを走行する場合
  • エアコンを効かせる場合(冷房の場合、外気と車内の温度が同じ程度になってから)

 

▼内気循環→外気導入に

 

  • 車内の換気をする場合

デフロスターとデフォッガー

デフロスタースイッチをオンにすると、湿度が低く温度が高い空気をフロントガラスやフロントドアの窓に送風することができます。主に、暖房を使っていてガラスの内側が結露により曇ったときに使用します。

 

デフォッガースイッチをオンにすると、リアウィンドウ(後部ガラス)の電熱線が起動します。デフロスターと同様に、暖房使用時の曇りを除去するために使用します。

 

3.車のエアコンのトラブル【原因と対処法】

車のエアコンの調子が悪いときの原因と対処法を解説します。

 

エアコンの風がぬるい

エアコンの風がぬるい、設定温度の風が出ない症状は、冷房と暖房で原因や対処法が異なります。以下で冷房・暖房、それぞれの場合に分けて解説します。

 

冷房の効きが悪い原因と対処法

原因の一例
  • 冷媒ガスの不足
  • コンプレッサーの故障
  • エバポレーターの汚れ
  • エアコンフィルターの詰まり

冷房の効きが悪い場合、冷媒ガスが不足している可能性があります。冷媒ガスはエンジンルームを開けて、サイトグラスといわれるガラス窓から冷媒の流れを見ると残量不足を確認できます。ただし、最近の車にはサイトグラスが付いていない場合があるので、ディーラーやガソリンスタンドなどで確認してもらうのが良いでしょう。

 

また、冷媒ガスの量が十分あるのに風がぬるい場合は、コンプレッサーの故障やエバポレーターの汚れが考えられます。確認や修理には専門的な知識や特殊な器具が必要となるので、整備のプロがいる店舗に相談してみましょう。

 

エアコンフィルターの詰まりがひどい場合も同様の症状が見られます。詰まりがひどい場合は交換が必要ですが、これは自分で簡単に交換できます。冷房が効かない原因が分からない場合は、まずエアコンフィルターから確認してみると良いでしょう。

 

※エアコンフィルターの確認・交換方法について詳しくは→「車のエアコンフィルターの交換方法や交換時期は?選び方のポイントも

 

暖房の効きが悪い原因と対処法

原因の一例
  • サーモスタットの故障
  • 冷却水の不足

暖房の効きが悪い場合はサーモスタットの故障が疑われます。サーモスタットとは、冷却水の温度に応じてラジエーターに冷却水を「送る・送らない」のどちらかを判断するパーツです。サーモスタットが故障すると、冷却水の温度が適正にコントロールされず、暖房をつけても暖かい空気が出ない場合があります。故障した場合は交換が必要になるため、暖房の風がぬるい、または設定温度よりも熱いと感じたら、整備のプロがいる店舗で状況を見てもらいましょう。

 

暖房の熱源となる冷却水が不足しているときも暖房の効きが悪くなる可能性があります。冷却水の残量はエンジンルーム内のリザーバータンクで確認できます。ただし、走行中に暖房の効きが悪いと感じても、すぐに冷却水の残量を確認してはいけません。走行に伴い、冷却水が高温になっている可能性があるためです。自分で確認する場合は、車を停めてから十数分待ち、冷却水の温度が下がってからにしましょう。もし冷却水の量が不足している場合は、ディーラーやガソリンスタンドなどで補充してもらえます。

 

エアコンから異臭がする

エアコンを起動すると異臭がする場合は、「エバポレーターにカビが生えている」「エアコンフィルターの汚れが溜まっている・カビが生えている」可能性があります。

 

エバポレーターは空気を冷やすパーツなので、周囲との温度差があって結露しやすく、カビが発生しやすいと言えます。エアコンフィルターに汚れやカビが見られない場合は、整備のプロにエバポレーターを点検してもらいましょう。カビがひどく、クリーニングをしても改善されない場合は交換が必要です。

 

カビの発生を防ぐには、車から降りる前にエバポレーターを乾かしておくことが重要です。乾かす方法は、冷房を切り、送風状態のままにしておくだけ。例えば、帰宅する十数分ほど前に冷房を切り、送風モードに切り替えておくと良いでしょう。

 

【コラム】エアコンを使うと燃費が悪くなる?

エアコンの冷房を使った場合、エンジンの負担が増えるため燃費が悪くなる可能性があります。これは、冷房使用時に稼働するコンプレッサーの動力源がエンジンであるためです。コンプレッサーとエンジンは連動しているため、冷房を付けると自動的にエンジンの負担が増えることになります。

 

また、外気温と設定温度の差が大きいとコンプレッサーの稼働が増えるため、エンジンの負担もさらに増え燃費に影響すると言われています。

 

ちなみに、ガソリン車の暖房は冷却水を熱源としているため、燃費に影響ありません。ただし、PHVや電気自動車の暖房は電力を消費するため、燃費に影響します

 

車内環境を良くするために、必要に応じてエアコンを使用することは重要です。ただし、燃費のことを考慮すると、ある程度快適な温度になったら冷房の設定温度を上げる、切る、などを意識しても良いでしょう。

 

4.まとめ

車のエアコンの仕組みや機能を知っていると、ドライブをより安全で快適に行うことができます。ご紹介したエアコンの使い方をぜひ頭に入れておいてください。

 

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