
1.タイヤサイズの見方
タイヤのサイズは決まった位置・表示方法で書かれていますので、すぐにチェックすることができます。
サイドウォールか運転席のドア内側を確認
タイヤサイズの表記場所は、タイヤの側面と運転席のドアの内側です。タイヤの側面(サイドウォール)には数字が刻印されており、ドアの内側ではタイヤサイズや空気圧が表記されたシールが貼られています。
それぞれの数字の意味については、「2.タイヤサイズの意味を解説」で詳しく記載しています。
製造年週とは
タイヤサイズの他に、タイヤ片面のホイールに近い場所に「製造年週」が刻印されています。これはタイヤが何年の何週目に製造されたかを示す数字で、アルファベットとの組み合わせで製造番号(シリアルナンバー)を表しています。
<製造年週の表示例>
ABC 1517
製造年週の上2桁は、タイヤが製造された「週」を表しています。上記の例の場合、「15週」ですので4月10~16日になります。
下2桁は、タイヤが製造された「年」を表しており、上記例では2017年です。2000年以降は合計4桁のうち下2桁、1999年以前では合計3桁のうち下1桁(159…1999年の15週に製造)で表示されます。
2.タイヤサイズの意味を解説
それでは、タイヤサイズの数字の意味を確認していきましょう。
タイヤ幅
タイヤ幅とは、タイヤが地面に接地するときに触れる横幅を表します。単位はmmで、タイヤ幅が大きいほどタイヤが太くなり、走行時の安定性は高まるといわれています。
扁平率
扁平率(へんぺいりつ)とはタイヤの幅に対する高さの割合で、扁平率が低くなるほど平べったい形になります。なお、この場合の「タイヤの幅」とは、総幅ではなく側面の文字などの高さを除いた断面幅(W)をいいます。
扁平率(%)=タイヤ断面の高さ(H)÷タイヤの断面幅(W)×100
扁平率が高いと、道路からの衝撃を和らげやすく、抵抗が小さくなるため燃費が良くなる傾向にあります。反対に扁平率が低く接地面積が大きいと、衝撃が伝わりやすく乗り心地の良さでは劣りますが、操作の応答性が向上するためスポーツ走行に向いています。
ラジアル構造/バイアス構造
扁平率の右に書かれている「R」は、タイヤの骨格(カーカス)の向きが中心から放射状=ラジアルに配置されていることを示す記号です。現在乗用車に使用されているタイヤは、ほとんどがラジアル構造です。ラジアル構造のタイヤは、安定性や耐摩耗性に優れ、発熱やスリップが少ないといったメリットがあります。
バイアス構造はカーカスが斜め(=バイアス)に配置されているもので、タイヤの表示では記載がないかハイフンが書かれています。ラジアル構造より古い仕組みであり高性能とはいえませんが、悪路での乗り心地が良く製造が容易なことから、農業や建築用の車両で使われています。
リム径
リム径とは、ホイールの直径のことです。cmではなくインチで表され、外側の直径(タイヤ外径)を変えずにリム径の大きいタイヤに交換することを「インチアップ」といいます。インチアップすると操縦の安定性やブレーキ機能が向上しますが、走行音が大きめになるデメリットもあります。
安全にインチアップをするための注意点は、「インチアップで気をつけることは?」をご覧ください。
ロードインデックス
ロードインデックス(LI)とは、タイヤ1本が耐えられる最大の負荷をいいます。同じLIでも、タイヤの種類や規格によって最適な空気圧は異なります。安全のために、車両の重さに対してLIが不足しているタイヤを装着することは避けましょう。
<ロードインデックス(LI)と負荷能力の対応一覧>
LI | 負荷能力(Kg) | LI | 負荷能力(Kg) | LI | 負荷能力(Kg) | LI | 負荷能力(Kg) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
60 | 250 | 76 | 400 | 92 | 630 | 108 | 1000 |
61 | 257 | 77 | 412 | 93 | 650 | 109 | 1030 |
62 | 265 | 78 | 425 | 94 | 670 | 110 | 1060 |
63 | 272 | 79 | 437 | 95 | 690 | 111 | 1090 |
64 | 280 | 80 | 450 | 96 | 710 | 112 | 1120 |
65 | 290 | 81 | 462 | 97 | 730 | 113 | 1150 |
66 | 300 | 82 | 475 | 98 | 750 | 114 | 1180 |
67 | 307 | 83 | 487 | 99 | 775 | 115 | 1215 |
68 | 315 | 84 | 500 | 100 | 800 | 116 | 1250 |
69 | 325 | 85 | 515 | 101 | 825 | 117 | 1285 |
70 | 335 | 86 | 530 | 102 | 850 | 118 | 1320 |
71 | 345 | 87 | 545 | 103 | 875 | 119 | 1360 |
72 | 355 | 88 | 560 | 104 | 900 | 120 | 1400 |
73 | 365 | 89 | 580 | 105 | 925 | 121 | 1450 |
74 | 375 | 90 | 600 | 106 | 950 | 122 | 1500 |
75 | 387 | 91 | 615 | 107 | 975 | 123 | 1550 |
速度記号
速度記号とは、タイヤが走行できる最高速度を表す記号です。120~300km/hでアルファベットが割り振られています。
<速度記号と対応速度一覧>
速度記号 | 速度(km/h) | 速度記号 | 速度(km/h) |
---|---|---|---|
L |
120 |
T |
190 |
M |
130 |
U |
200 |
N |
140 |
H |
210 |
P |
150 |
V |
240 |
Q |
160 |
W |
270 |
R |
170 |
Y |
300 |
S |
180 |
|
3.タイヤのサイズ変更に関するQ&A
安全性を確保しつつタイヤの交換やインチアップを行うには、タイヤサイズの表示を確認しルールを守ることが大切です。
インチアップで気をつけることは?
インチアップ(タイヤのリム径を大きくすること)をするときに注意すべきなのは、タイヤ外径を変えないことと、車体からはみ出ないようにすることです。タイヤ外径を変えてしまうと車体への接触やスピードの誤計測の原因になってしまいます。また、車体からはみ出した状態でのタイヤ装着は不正改造にあたります。
インチアップするタイヤを選ぶときは、ロードインデックス(LI)が元のタイヤの値と同じかそれ以上のものにしましょう。LIが低いと、安全に影響が出てしまいます。
タイヤサイズが違うと燃費が変わる?
一般的に、扁平率が高くリム径が小さいと、抵抗が軽減され燃費が良くなるといわれています。インチアップをすると扁平率が低くなる分燃費が悪くなる可能性がありますが、操作性は向上するためある程度燃費の悪さをカバーできるなど、単純にリム径と燃費の良さが反比例するとは言い切れません。
タイヤはサイズ変更していいの?
基本的に、タイヤの外径は変えてはいけません。インチアップの場合でも、タイヤ外径の誤差はプラスマイナス数%以内に収める必要があります。
タイヤ交換はどこに依頼する?
車やカー用品を扱っているお店であれば、基本的に依頼することができます。冬用タイヤへの履き替えや古くなったタイヤの交換などは、普段の給油ついでにガソリンスタンドなどで依頼しても良いでしょう。タイヤの種類にこだわりたい場合は、在庫が豊富なタイヤ専門店を選ぶといった使い分けも可能です。
4.まとめ
タイヤサイズをしっかり確認することで、タイヤ交換の際に適切なものを選ぶことができます。リム径や扁平率を変えることで乗り心地や操作性が変化するため、走行にこだわりたい方はお店に相談しながらタイヤ交換を検討してみてはいかがでしょうか。
サイズや負荷能力をきちんと守り、快適なカーライフを送りましょう。
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