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2022.01.13

お悩み解決

JARTIC(ジャティック)が伝授する道路交通情報の正しい活用術

車のメンテナンスやドライブについてプロから学ぶ本企画。今回は日本道路交通情報センター・JARTIC(ジャティック)でラジオ・テレビでの道路交通情報の放送業務を担当する岩澤里恵さんにお話を聞いてきました。車でラジオをかけているときに、流れてくる渋滞や交通規制の情報を一度は耳にしたことがあるはず。JARTICでは全国の道路交通情報を一元的に収集し、ドライバーや事業者にラジオ以外でもさまざまな方法で情報提供しています。渋滞や道路障害を回避し、快適なドライブを実現するための道路交通情報の活用術についてご紹介します。

2022.01.13

1.日本道路交通情報センター(JARTIC)とは?

一般のドライバーや事業者向けに道路交通情報を提供する組織

JARTICはどのような活動をしていますか?

ドライバーのみなさんと接点があるサービスとしては、ラジオでの道路交通情報の提供が分かりやすいかと思います。全国の道路交通情報を一元的に収集し、その情報をラジオやテレビ、Webなどを通して提供しています。また、カーナビやアプリなどで道路交通情報をドライバーに提供している民間事業者向けの情報提供サービスも行っています。

 

▼JARTICで提供している5つのサービス

サービスの種類 サービス概要
(1)ラジオ・テレビでの放送 収集した道路交通情報をラジオ・テレビ番組内で
提供する。
(2)電話応答サービス 利用者からの道路交通情報に関する問い合わせに対して
提供する。
(3)インターネットサービス 収集した道路交通情報をWeb上で提供する。
(4)法人向け情報提供サービス 調査研究や、道路交通情報を提供する事業を行う事業者向けに道路交通情報を提供する。
(5)各種情報の提供 各警察が保有している断面交通量等に関するデータを広く一般向けに提供している。

 

JARTICでは道路交通情報をどうやって集めていますか?

ドライバーや事業者のみなさんに提供している道路交通情報は、大きく2つのルートから収集した情報をもとにしています。情報ルートの1つ目は「管理者オンライン情報」と呼んでおり、各地の警察や高速道路会社などの道路管理者との機器接続によって24時間オンラインで収集している情報です。2つ目は、各地の警察や道路管理者に駐在しているJARTICの職員が取材して収集した情報です。管理者オンライン情報だけでは事故や交通規制などに関する詳しい内容まで把握できないため、各拠点の駐在員が取材した情報と統合することで、詳細情報までを一元的に収集できています。

 

【管理者オンライン情報の例】

(規制情報)        (渋滞情報)

・道路名:東名高速道路   ・道路名:東名高速道路

・方向:上り        ・方向:上り

・場所:横浜町田インター  ・場所:横浜町田インター

・原因:事故        ・渋滞長:3km

・規制:追い越し車線規制

 

【職員収集情報の例】

(事故による渋滞情報)

・道路名:東名高速道路

・方向:上り

・場所:横浜町田インター

・原因:乗用車2台とトラック1台の追突事故

・規制:追い越し車線規制により3kmの渋滞

・処理状況:乗用車1台とトラックが移動完了。乗用車1台はレッカー作業中。
      現場付近は散乱物があって通りにくい。

 

できるだけリアルタイムの情報を発信する

岩澤さんは普段どのような業務を担当していますか?

主にラジオ・テレビでの道路交通情報の放送とそれに伴う情報収集、または電話問い合わせサービスの応対です。放送で伝える内容はアナウンスを担当する職員自身が放送の30分ほど前から情報収集を始めてまとめていきます。管理者オンライン情報と駐在員収集情報が一元化されている基幹システムをもとに道路交通状況を確認し、現在の状況をもう少し詳しく知りたいところがあれば道路管理者などにさらに問い合わせすることもあります。

 

ラジオ各局の専用ブースに入り放送を行う

ラジオ各局の専用ブースに入り放送を行う

 

ちなみに私が勤務する九段センターでは勤務時間が大きく分けて早番、遅番、夜勤の3パターンあり、本日は早番でした。朝の5時25分頃に出社し、6時からの放送の準備に取り掛かります。以降は30分から1時間間隔で放送が入り、放送ごとに情報収集して最新情報をお届けできるようにしています。

 

放送において大事にしていることを教えてください。

リアルタイムの情報を正確にお伝えすることです。放送開始時刻の5分前まで情報収集を行い、できるだけ最新情報をお伝えできるようにしています。放送開始ぎりぎりのタイミングで道路交通状況が変わる場合もあり、そういったときは別の職員から最新情報のメモ書きなどをもらって対応することもあります。

 

放送ブース横のデスクで放送5分前まで情報収集を行う

放送ブース横のデスクで放送5分前まで情報収集を行う

 

また、より多くの人に、より大きな影響が出る情報を優先してお伝えすることも重要です。番組によっては放送開始時刻と終了時刻が決まってはいるものの、開始のタイミングが前後にずれることもあり、放送の残り時間に応じて優先度が高い情報から順にお伝えしています。ですから、情報収集するときは多めに情報を取っておき、情報に優先度を付けて放送時間が予定より長く、または短くなっても柔軟に対応できるよう準備しています。放送終了時刻はほとんどの場合変わりませんので、どんな状況でも時間内に伝えきる訓練を積んでいます。

 

インター名一覧と手引書と手書き原稿

左:全国のインター名一覧、中:放送のルールがまとめられた手引書、右:放送で使う手書き原稿

 

鉄道時計とデジタル時計

左:鉄道時計、右:デジタル時計。残りの秒数を視覚的に認識するために鉄道時計も各ブースにセッティングされている

 

 

2.道路交通情報の収集方法と活用術

目的に応じてサービスを使い分ける

ラジオ放送で道路交通情報を聞くときのポイントはありますか?

その情報がお客様に必要かどうかを判断していただくために、具体的な状況をお伝えする前に差し込んでいる“リード”に注目していただきたいです。リードとは、例えば「首都高速道路は都心環状線が事故のため通行止めになっています」といった、道路交通状況の概要にあたる部分です。特に大きな事故や大規模工事をお伝えするときは、まずリードの内容をアナウンスした後で具体的な内容についてお知らせしています。そのリードからリスナーさん自身で情報の取捨選択ができると良いのかなと思っています。

 

写真奥に各局の放送ブース。放送が終了したら次の放送に向けた情報収集を始める

写真奥に各局の放送ブース。放送が終了したら次の放送に向けた情報収集を始める

 

また、普段から頻繁に運転しない方の場合は、道路交通情報で取り上げられている道路名が分からず、うまく活用できないかもしれません。そういった場合は、まず自分が走行している道路名、または目的地へ向かうための道路名や接続する道路名を大まかにでも把握しておくと、より放送内容を理解しやすいと思います。

 

放送の一部を聞き逃した場合は何か対処法はありますか?

ラジオ放送の一部を聞き逃したり、うまく聞き取れなかったりした場合は、電話応答サービスをご利用いただきたいです。放送エリアのセンターに電話でお問い合わせ*1いただきますと、電話口のオペレーターと直接会話しながら情報をご確認いただけます。

 

電話応答サービスではオペレーターに直接道路交通状況に関する質問ができる

電話応答サービスではオペレーターに直接道路交通状況に関する質問ができる

 

また、Webでご覧いただけるインターネットサービス*2でも最新の道路交通状況を確認できます。Web上で手軽に調べられるので、気になる箇所をピンポイントに知りたい方におすすめです。このように、ラジオ以外にも知りたい箇所や自分の運転状況などによって情報収集に使う媒体を使い分けていただくと利便性も高くなります。

 

*1 参考:JARTIC|JARTICのサービス|電話応答サービス|道路交通情報 電話番号一覧
*2 参考:JARTIC|JARTICのサービス|インターネットサービス

 

インターネットサービスは事前に調べたい情報があるときにおすすめ

インターネットサービスでの道路交通情報の見方を教えてください。

まず、インターネットサービスで利用いただける地図は、高速道路図とデジタル地図の2種類です。高速道路図は都市高速道路・高速道路情報に限定して知りたい方、デジタル地図は一般道路も確認したい方といったように、目的に応じて使い分けてください。

 

実際に地図をご覧いただく場合は、エリアを選択し、目的地周辺やそこまでのルートに表示されているアイコンを確認いただきます。高速道路図・デジタル地図はどちらも5分ごとに最新情報に更新され、道路交通状況ごとに決められたアイコンが地図上に反映されます。地図画面右の「凡例・表示切替」をクリックすると、アイコンの意味を確認でき、地図上に反映させるアイコンを選択できます。

 

▼高速道路図              ▼デジタル地図

高速道路図 デジタル地図

▼凡例・表示切替

▼凡例・表示切替

 

また、地図上のアイコンをクリックすると道路交通情報がポップアップで表示されます。この情報は管理者オンライン情報を反映しており、もっと詳しく知りたい場合は各エリアのセンターに電話で問い合わせいただくと、駐在員が取材した情報を追加情報としてお伝えできる場合があります。

 

▼ポップアップ

ポップアップ

 

ただし高速道路が渋滞で混雑しているときに、「高速を走行し続けたほうが早いか、あるいは一般道路に降りたほうが早いか」といった質問には回答が難しい場合があります。都市高速道路・高速道路であれば道路管理者が算出した通過時間を利用して、その情報をお伝えできるのですが、一般道路の場合は算出されない箇所もあるため、どちらが早く通過できるかといった比較ができない場合がある点は申し訳ありませんがご了承いただきたいと思います。

 

インターネットサービスのおすすめの使い方を教えてください。

インターネットサービスの特徴は、全国のリアルタイムの道路交通情報を把握できる点です。目的地やルートが決まっている場合は、事前に道路交通状況を調べておくことで、混雑する道路を回避できたり、走行する時間帯を調整できたりします。ドライブの出発前にさっとチェックしておくだけでも混雑の回避に役立てられます。

 

また、道路の混雑だけでなく一部地域の高速道路のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)の混雑状況も「SA」「PA」のアイコンで確認いただけるんです。現在の混雑状況をチェックできるので、休憩のポイントを状況に応じて調整しやすくなります。

 

ちなみに、地図画面右上の「各種情報」をクリックするとさまざまな情報のカテゴリー一覧が表示されます。カテゴリーを選択すると地図上にも反映されている事象・規制情報や、工事行事予定情報を文字で一覧にして確認することができます。

 

▼各種情報画面           ▼SA/PA情報画面

各種情報画面 SA/PA情報画面

 

 

3.災害時における情報の発信体制と情報の正しい受け取り方

優先順位を付けて情報を発信する

災害時はどのような情報を発信していますか?

震災や豪雨、豪雪などの災害発生時は、ラジオ・テレビ放送ではその時点で優先度の高い情報をお伝えしています。インターネットサービスは、災害エリアにおいて「災害時情報提供サービス」に切り替わります。地図上に警察庁から提供される通行実績情報が反映され、これにより道路を通行した車両があるかどうかを確認できます。ただし、これはあくまで通行できたことを表すものであり、安全に通行できることを保証するものではない点をご留意いただきたいです。

 

また、災害が発生した場合は電話で問い合わせをいただくことが多いです。災害発生直後は、道路の破損状況や交通状況など把握できていないことがほとんどですので、避難や救援救助の車両を優先させるため、また二次災害回避のために状況によっては外出をお控えいただきたいとお伝えすることもあります。

 

正しい情報をキャッチする

災害が起こったらどのように情報収集するのが良いのでしょうか?

まずはラジオやテレビなどで現時点の状況を確認しつつ、特定のエリアの状況を知りたい場合はWebの災害時情報提供サービスを利用いただくのが良いと思います。ラジオ・テレビ放送では、比較的影響が大きい、影響を受ける人が多い情報を優先的に発信しており、生活に直結する情報をキャッチしやすいです。また災害時情報提供サービスで把握できる情報には限りがあるので、より詳しく知りたい方は電話でお問い合わせください。放送やWeb、電話応答サービスを利用していただき、正しく的確な情報を収集してほしいです。

 

 

4.まとめ

今回は日本道路交通情報センター(JARTIC)の岩澤さんに道路交通情報の活用についてお話を伺いました。道路交通情報といえばラジオ放送をイメージしがちですが、実はWebページでは地図上で道路交通状況を確認できたり、電話問い合わせではオペレーターに直接質問できたりと、情報収集に便利なサービスが提供されているんです。取材の最後で伺った「天気予報と同じくらい身近になってほしいんです」という言葉のとおり、車でお出かけの前には、天気予報と併せて道路交通情報もぜひチェックしてみてください。

 

日本道路交通情報センター

【日本道路交通情報センター 岩澤里恵さん】

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