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2021.09.10

お悩み解決

雪道でも安全に運転するには?アイスバーンの特徴、走行ポイントを解説

冬場によく耳にするアイスバーン。降雪地帯ではなくとも条件を満たせば都市部でも発生し、重大な事故を引き起こす可能性がある危険な路面状態です。この記事では、アイスバーンの種類や発生しやすい場所、走行時の注意点などを紹介します。

2021.09.10

1.アイスバーンとは?

冬になると各地で発生するアイスバーン。アイスバーンが原因でスリップし重大な事故につながるケースも少なくありません。まずは、アイスバーンの意味や種類についてご紹介します。

 

氷や雪に覆われて滑りやすい路面状態の道路

アイスバーンとは、雪や雪解け水などの水分が凍って滑りやすくなった路面のことです。スタッドレスタイヤやチェーンなどを装着していてもスリップする危険性があります。なお、路面が濡れていて、路面温度が0度以下になれば、降雪が少ない地域でもアイスバーンは発生します。

 

アイスバーンの3分類|路面の写真付き

アイスバーンは「圧雪アイスバーン」「ブラックアイスバーン」「ミラーバーン」の3つに分けられます。以下で大まかな特徴を説明します。

 

(1)圧雪アイスバーン
状態:タイヤによって踏み固められている
特徴:場所によってスリップしやすい

 

(2)ブラックアイスバーン
状態:路面が薄い氷で覆われているが、アスファルトの黒色がはっきり分かるため、ただ濡れているだけに見える
特徴:運転席から凍っていると認識しづらく危険度が高い

 

(3)ミラーバーン
状態:タイヤによって磨かれ、鏡のように光を反射する
特徴:非常に滑りやすいが、目視で認識しやすい

それぞれの細かな特徴や注意点を写真付きで紹介します。走行時に見分ける参考にしてください。

 

(1)圧雪アイスバーン

圧雪アイスバーン

圧雪アイスバーン(イメージ)

 

圧雪アイスバーンは、積もった雪がタイヤによって踏み固められた状態の道路です。交通量の多い道で見られます。スタッドレスタイヤを装着していてもスリップの危険性があります。さらにタイヤとの摩擦や日光で表面が少し溶けている場合はより滑りやすくなります。

 

(2)ブラックアイスバーン

ブラックアイスバーン

ブラックアイスバーン(イメージ)

 

ブラックアイスバーンは、路面の水分が凍結して、薄い氷で覆われている状態の道路です。気温が低い冬の朝晩や雨の降った翌日など、路面に水分が残っていて気温が低いときに発生します。ブラックアイスバーンの特徴は、凍っているもののアスファルトの黒色が認識できるため、運転手からは濡れているだけに見えることです。特に夜間に見分けるのは難しくなっています。スピードを落とさずに進入すると、ブレーキをかけても止まれず大きな事故につながる、といったケースもあります。また、めったに雪が降らない地域でも発生することがあるので、冬場はブラックアイスバーンの可能性があると頭に入れて走行してください。

 

(3)ミラーバーン

ミラーバーン

ミラーバーン(イメージ)

 

ミラーバーンは、もともと凍結していた部分が、そこを通過する車のタイヤによって磨かれて、ライトを当てると鏡のように反射する状態の道路です。交通量の多い道路や交差点で発生しやすくなっています。特に交差点では、停車時にスリップして止まれない、発進時にタイヤが空転して進まないなどのトラブルになりやすく、慎重な運転操作が求められます。

 

路面状態によって変わる制動距離

圧雪アイスバーン、ブラックアイスバーン、ミラーバーンではブレーキをかけてから完全に停止するまでの距離である制動距離に差が出ます。JAFが実施したテストによれば、それぞれの路面状態での制動距離は以下の結果となりました。

 

制動距離結果

 

このテストは40km/hで走行中に急ブレーキを踏んでからの制動距離を測ったものです。通常の路面では40km/h時点で急ブレーキを踏むと10m以下で停止できるため、アイスバーンがいかに危険な路面状態か分かります。

 

2.アイスバーンが発生しやすい場所

アイスバーンが発生しやすい場所としては「日が当たりにくい道路」「橋の上」「トンネルの出入り口」「交差点」の4つが挙げられます。発生しやすい理由と注意点を紹介します。

 

日が当たりにくい道路

日が当たりにくい道路とは、ビルが立ち並ぶ都市部や木々に囲まれている山などの道路を指します。路面に水分が残りやすく路面温度も低いため、ブラックアイスバーンになる場合もあります。また、晴れた日でも日陰になっている時間が長くアイスバーンが解消されません。日陰の道を走行するときはアイスバーンを疑ってください。

 

橋の上

橋の上や高架の道路は地熱の影響がなく、冷たい風が吹きつけるため、路面温度が下がりやすい特徴があります。また、橋は結露が発生しやすい構造であり、天候にかかわらず橋の上だけブラックアイスバーンになっているケースもあります。冬場に橋の上を走行するときは速度を落とすよう心がけてください。

 

トンネルの出入り口

トンネルの出入り口は、風が強く吹いて路面温度が0度以下になりやすくなっています。出入り口付近が日陰になっていて水分が残り、ブラックアイスバーンになっているケースもあります。また、トンネル内は湿度が高くアイスバーンが発生しやすい傾向があります。トンネルの出入り口付近だけでなくトンネル内でのスピードの出しすぎも禁物です。

 

交差点

交差点付近は、多くの車が行き交うため、圧雪アイスバーンミラーバーンが発生しやすくなっています。ブレーキ性能やスタッドレスタイヤの性能を過信していると、停止できずに交差点に突入する危険があるため、早めの減速が必要です。

 

3.アイスバーン走行時の3つのポイント

アイスバーンを走行しなければならない場合もあります。そこで、スリップの影響を抑えるための下記3つのポイントを解説します。

 

(1)スタッドレスタイヤやチェーンを装着する
(2)ポンピングブレーキを意識する
(3)急ハンドル・急ブレーキを避ける

ただし、これらの対策をしたからといって、スリップしないわけではありません。アイスバーン走行時は、対策を行った上で慎重に走行してください。

 

(1)スタッドレスタイヤやチェーンを装着する

アイスバーンや雪道の走行時はスタッドレスタイヤやチェーンの装着が欠かせません。スタッドレスタイヤは、素材や構造によって路面とタイヤの接地性が高まり、雪道の走行が得意です。タイヤチェーンもアイスバーンや雪道に食い込んでグリップ力を高める効果があります。どちらも絶対にスリップしないわけではないのでスピードの出しすぎや急ブレーキは避けてください。

 

(2)ポンピングブレーキを意識する

アイスバーンでは、ブレーキを複数回に分けてブレーキをかけるポンピングブレーキが有効です。ポンピングブレーキをすると、スリップの原因となるタイヤのロックが起こりにくくなります。いつものブレーキを踏むタイミングよりも早く、軽く踏む、離す動作を繰り返して緩やかにスピードを落としてください。

 

(3)急ハンドル・急ブレーキを避ける

アイスバーンでは、急ハンドルや急ブレーキ、急発進などがスリップにつながるため、「急」のつく操作を避けてください。急のつく操作を避けるためには、前方車との車間距離を広くとる、時間に余裕を持って行動することが効果的です。

 

【コラム】アイスバーンや雪道に強い車の特徴は?

アイスバーンでも走行しやすい車の特徴は、駆動方式が4WDやFFであることです。4WDはすべてのタイヤが駆動するタイプで、アイスバーンでも滑らかに発進でき、上り坂でも力を発揮してくれます。FFは前にエンジンがあり前輪が駆動するタイプで、直線であれば雪道でも安定して走行できます。どちらも駆動輪に重さがかかるようになっているため、雪にはまって動けなくなる現象のスタックが発生しにくくなっています。

 

ただし、どちらもカーブで曲がりにくい特徴があるため、コーナーの手前で減速しゆっくり曲がるよう心がけてください。また、4WDもFFもアイスバーンや雪道でのブレーキ性能が高いわけではありません。車間距離をとって走行し、余裕を持って停止できるように心がけてください。

 

※4WDについて詳しくは「4WDとは?2WDとの見分け方やメリット・デメリットを解説!」で解説しています。

 

4.アイスバーンで起きた3つの交通事故事例

アイスバーンが原因となって起きた3つの交通事故事例をご紹介します。併せて、注意点や回避策も説明します。

 

ケース1|ブレーキやタイヤの性能を過信して前方車に追突

軽自動車が赤信号で停止しようとしたところ、ブレーキを踏むタイミングが遅れてスリップし、信号待ちしていた前方車に追突。停止していた車の運転手に軽傷を負わせたケースです。

 

▼事故の概要
事故車:軽自動車、スタッドレスタイヤを装着
事故状況:赤信号で停止するためにブレーキを踏むと同時にスリップしてしまった
被害:前方で停止していた車に衝突し、運転手に軽傷を負わせた

 

▼原因
・スタッドレスタイヤ装着により安全だと思い込んでいて、ブレーキを踏むタイミングが遅れた
・前方の車との車間距離が短かった
・速度の出しすぎ
・前方不注意

 

▼回避策
・急ブレーキ、急ハンドルを避ける
・スピードを出しすぎない
・車間距離をとって余裕を持った運転をする

スリップ事故の大半は他の車への追突につながっています。特に前方車の減速や停止に対応が遅れて追突するケースが多くなっています。このような事故を防ぐために、急ハンドルや急ブレーキにならないように車間距離をとった走行を心がけてください。

 

ケース2|スリップして交差点に進入し衝突

一時停止のある交差点で停止する際にブレーキをかけたところ、スリップして停止できずそのまま交差点に進入して右から進行してきた軽自動車と衝突。軽自動車の運転手に重症を負わせたケースです。

 

▼事故の概要
事故車:普通自動車、スタッドレスタイヤを装着
事故状況:交差点で一時停止しようとブレーキを踏んでスリップしてしまった
被害:右から進行してきた軽自動車に衝突し、重症を負わせた

 

▼原因
・乾燥した路面のときと同じ感覚でのブレーキ操作

 

▼回避策
・交差点の手前で確実に止まれるよう早めに減速する

乾燥した路面と同じ感覚でブレーキを踏んだことがスリップの原因とされています。このような事故を防ぐためには、交差点の手前で確実に止まれるように早めの減速が必要です。

 

また、降雪地帯では、雪の影響で道路標識や路面の停止線、中央線が見えにくく、交差点の発見が遅れる場合があります。なるべく視界を確保し、安全に止まれるスピードでの運転を心がけてください。

 

ケース3|車線変更でスリップし電柱に衝突

乗用車が片側2車線を走行中に車線変更したところ、スリップして電柱に衝突。これにより運転手が命を落としてしまったケースです。

 

▼事故の概要
事故車:普通自動車、スタッドレスタイヤを装着
事故状況:車線変更しようとしてスリップし電柱に衝突
被害:運転手が死亡した

 

▼原因
・ブラックアイスバーンでの急なハンドル操作

 

▼回避策
・路面が黒く見えてもスピードを出しすぎない
・スリップする可能性があると頭に入れてハンドルを操作する

当時路面はブラックアイスバーンでした。このような事故を防ぐために、ブラックアイスバーンは運転席からの判別は難しいことを頭に入れ、路面が黒く見えてもスピードを出しすぎず、急ハンドルを避けての運転を心がけてください。

 

5.まとめ

アイスバーンは、雪道の中でもスリップしやすいとても危険な道です。中でも、ブラックアイスバーンは見た目では判断がつきにくく、死亡事故につながるケースもあります。アイスバーン走行時は、スタッドレスタイヤやチェーンを装着した上で、車間距離を十分とって運転するように心がけましょう。

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