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2021.07.15

お悩み解決

後部座席のシートベルト未着用は交通違反?罰則が免除されるケースも

シートベルトの着用は、万が一の事故に備えて、安全上の観点から全席で求められます。法律的にも、運転席や助手席で未着用であれば罰則を受けます。ただし、後部座席については、認識が曖昧な方も多いのではないでしょうか?この記事では、後部座席におけるシートベルト着用のルールや未着用時の罰則内容について解説します。また、例外的に着用が免除されるケースやシートベルト着用状況の調査データなどをご紹介します。

2021.07.15

1.シートベルトは後部座席も着用が必要?罰則は?

シートベルトの着用は後部座席でも必要なのでしょうか? まずは、着用ルールや未着用によって受ける罰則の内容について解説します。

 

全席に着用義務がある

シートベルトの着用は、道路交通法*1によって原則全席に義務付けられており、後部座席に座った場合も必要です。過去には、着用義務が運転席と助手席のみで、後部座席が対象外のときがありました。しかし、2008年6月の道路交通法改正により、全席着用義務化へと切り替わりました。

 

シートベルトの着用を怠ると、交通違反の対象になるだけでなく、乗車中の危険性が高まります。以下は、後部座席でのシートベルト未着用によるリスクの一例です。

 

▼シートベルト未着用のリスク

  • 車内で全身を強打する
  • 車外に放り出される
  • 前席の人が被害を受ける

なお、シートベルトの着用義務は運転手に課されます。そのため、同乗者が未着用の場合には運転手が罰則を受けることになります。

 

また、シートベルト未着用の場合、交通事故の被害者であっても過失が認められる可能性があります。過去には、後部座席でシートベルト未着用の乗員が後部車両からの追突が原因で外に投げ出されたケースで、投げ出された乗員にも一定の過失が認められ、損害賠償額が減額された事例*2もあります。

 

*1 参考:法令検索|道路交通法|第七十一条の三, 第七十一条の三の2

*2 参考:警察庁|全ての座席でシートベルトを着用しましょう

 

高速道路で未着用の場合は違反点数1点加点

高速道路でシートベルトを着用していない場合は、全席共通で違反点数が1点加点されます。反則金はありません。一方で、一般道路の場合は、座席によって高速道路と罰則内容が異なります。運転席と助手席がシートベルト未着用の場合は、高速道路と同様に違反点数は1点。ただし、後部座席であれば違反点数の加点がなく、口頭注意のみとなります。

 

以下は、シートベルト未着用による罰則の違いを一般道路と高速道路で比較した表です。

 

  一般道路 高速道路
運転手・助手席 1点加点 1点加点
後部座席 口頭注意(違反点数加点なし) 1点加点

*参考:警視庁|交通違反の点数一覧表>座席ベルト装着義務違反

 

一般道路で後部座席のシートベルトを未着用であっても違反点数は加点されませんが、道路交通法違反です。全席着用が義務付けられており、かつ安全性を高めるためにもシートベルトを必ず着用してください。

 

【コラム】シートベルト未着用でゴールド免許は剥奪される?

ゴールド免許の資格は、シートベルト未着用により罰則を受けると剥奪されます。シートベルト未着用は交通違反であるため、一部例外を除き罰則の対象となります。ゴールド免許は、免許取得または更新してから5年間無事故・無違反であることの証です。資格者は、自動車保険料の優遇も受けられます。シートベルト未着用により、そういったメリットも取り消されることを理解しておきましょう。

 

例外として、一般道路で後部座席に座っている人がシートベルト未着用の場合は、口頭注意のみであるためゴールド免許の資格には影響しません。取り消しにはならないものの、シートベルト未着用の状態は危険であるため、必ず着用しましょう。

 

2.シートベルト着用義務が免除されるケースとは?

ここまでは、後部座席におけるシートベルトの着用ルールや罰則について見てきました。次に、例外的にシートベルトの着用が免除されるケースを4つの分類に分けてご紹介します。

 

体調に影響する

シートベルトを着用することで治療や健康に影響を及ぼすケースでは、シートベルトの着用義務が免除されます。以下は、体調への影響により、シートベルト着用義務が免除される場合の具体例です。

 

▼具体例

  • けがを負っている人
  • 障害を持っている人
  • 妊娠中の人

*参考:法令検索|道路交通法|第二十六条の三の二の一, 第二十六条の三の二の2の二

 

もし取り締まりを受けた場合、障害や妊娠中であることを証明できるものを携帯しておくと事情を説明しやすいでしょう。

 

身体的な理由で着用できない

身体的な理由が原因で、適切にシートベルトを着用できないケースでも、シートベルト着用義務が免除されます。以下は、身体的な理由により、シートベルト着用義務が免除される場合の具体例です。

 

▼具体例

  • 極度に座高が高い、低い人
  • 著しく肥満している人

*参考:法令検索|道路交通法|第二十六条の三の二の二, 第二十六条の三の二の2の三

 

シートベルトの数が足りない

子どもが乗車しており、後部座席のシートベルトが足りないケースも、シートベルト着用義務が免除されます。12歳未満の子どもは、乗車人数を考える上では、大人の2/3人として換算されます。例えば、乗車人数制限が5人の車に大人が2人乗る場合、残りの座席は3人分ですが、子どもの場合は4人乗車することができます。こういった場合に、後部座席のシートベルトが一人分足りず、その人が未着用でも義務違反にはなりません。

 

*参考:法令検索|道路交通法|第二十六条の三の二の2の一

 

※子どもの乗車人数の計算について詳しくは→「【車の疑問】子供の人数の数え方は? 乗車定員別の一覧表付き

 

その他のケース

ここまで紹介した3つのケース以外にも、シートベルトの着用義務が免除されるケースがあります。

 

▼具体例

  • 運転手が車をバックするケース
  • 郵便物の集配・ゴミの収集などの業務中に頻繁に乗降する区間を走行するケース
  • 消防車や救急車などの緊急車両を運転するケース
  • 選挙カーで選挙運動を行いながら走行するケース

*参考:法令検索|道路交通法|第二十六条の三の二の三~八, 第二十六条の三の二の2の四~八

 

なお、シートベルト装着義務が発生する以前の車には、そもそもシートベルトがないケースもあります。この場合も着用義務免除の対象となります。

 

3.後部座席のシートベルトの着用率と未着用のリスク

最後に後部座席のシートベルト着用率と未着用による死亡リスクについて見ていきましょう。

 

一般道路で約4割、高速道路で約8割

警察庁とJAFの共同調査によると、後部座席のシートベルト着用率は、一般道路が40.3%、高速道路が75.8%という結果が出ています。一方で、運転者と助手席同乗者の着用率は、一般道路と高速道路ともにほぼ100%です。運転席・助手席と比べると、後部座席の着用率は、まだまだ低いと言えます。ただし、2008年の法改正をきっかけに着用率が上がってきていることも事実です。以下は、2005年から2020年までの一般道路と高速道路における後部座席のシートベルト着用率の推移を表したグラフです。

 

後部座席のシートベルト着用率の推移

*参考:警察庁/JAF|シートベルト着用状況全国調査(2020)|シートベルト着用状況全国調査一覧|一般道路における着用率の推移、高速道路における着用率の推移をもとに作成

 

シートベルト着用義務が全席に適用される2008年以前は、一般道路・高速道路ともに着用率は10%前後でした。改正された2008年には、高速道路での着用率が前年から約5倍の62.5%まで上昇しています。ただし、一般道路は高速道路に比べて上げ幅は少なく、前年から約3倍の30.8%に留まりました。

 

後部座席の死亡事故のうち未着用者が約58%を占める

警察庁の報告によると、後部座席の方が亡くなった交通事故のうち、シートベルト未着用者は全体の57.5%を占めることが分かりました。以下は、交通死亡事故における後部座席のシートベルト着用・未着用の割合を表したグラフです。

 

交通死亡事故のシートベルト着用・未着用構成比

 

グラフからは、後部座席の死亡事故においてシートベルト未着用のほうが着用よりも死亡リスクが高いことが読み取れ、シートベルトを着用していれば助かる命もあったことが予想されます。そのため、一般道路・高速道路問わず、後部座席でもシートベルトを必ず着用してください。

 

*参考:警察庁|シートベルト着用関連統計|○ シートベルト着用有無別・座席位置別死者(令和2年中)をもとに作成

 

4.まとめ

シートベルトの着用義務は全席が対象になっており、後部座席であってももちろん着用が必要です。ただし、健康上や身体的な理由などがある場合は、着用が免除されるケースもあります。ちなみに、一般道路と高速道路では、後部座席のシートベルト未着用による罰則内容が異なります。一般道路の場合は口頭注意に留まりますが、安全のために必ずシートベルトを着用するようにしましょう。

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